Companion 20 multimedia speaker system
深々とした低音にクリアで切れのある中・高音です。
超低域までよく伸びたふくよかな低音です。
低音のダンピングが多少甘く輪郭が少し曖昧になるきらいがあります。
≪購入の経緯≫
「C2Ⅱ」の上位機種(?)として「C20」が発売されたとの情報をインターネットで入手し、BOSEとしてかなり気合の入った新製品のようなので、非常に気になっていました。
折を見て実際に音を聴いてみたいと思っていましたが、たまたま秋葉原に出向く機会があったので、ついでにBOSEショップに立ち寄ってみました。
試聴ができると期待していたのですが、BOSEショップに入ってみると、なんと店内では荷造りをしているではありませんか。
忙しそうに梱包作業をしている店員にどうしたのか聞いてみたところ、秋葉原のBOSEショップは「昨日で閉店しました」ということでした。
代わりに近くで試聴できるところがないか聞いてみたら、「銀座」か「日本橋」のBOSEショップに行くか、「パートナーショップになっているヨドバシカメラ“マルチメディアAkiba”店」に行ってみてくださいとのことことでした。
仕方がないので、もう少し足を延ばしてヨドバシカメラまで行くことにしました。
目当ての「C20」は、エスカレータを上がって直ぐの2階PCスピーカーコーナーの右側特設スタンドに置いてありました。
デモ音楽にロックを掛けていたのですが、一聴してBOSEサウンドと分かりました。
ふくよかで伸びのある低音に粒立ちの良い切れのある中・高音はBOSEサウンドそのものでした。
ただ、周囲では他の展示スピーカーの試聴音や店内の騒音が大きいため、細部まで聴き取ることは困難でした。
そのため、後日入手して、改めてじっくり聞いてみようと心に決め、その日はヨドバシカメラを後にしました。
その後、8月にまとめて夏季休暇が取れることになり、聴き込む時間がたっぷり取れることになったため、早速、「BOSEのオンラインストア」で「C20」を注文しました。
BOSEのオンラインストアから購入したのは、「C20」がほとんど値下がりしていないため、他のネットショップで購入するメリットがないことと、BOSEのオンラインショップだと「30日間返品・返金保証」が付いていて、購入後30日以内なら実際に聴いてみて満足できない場合は返品できるからです。
注文後、翌々日には「C20」が配送されてきました。
≪セッティングと試聴環境≫
同梱の「オーナーズガイド」には、「46㎝~81㎝」の間隔を空けて2つのスピーカーを設置するように書いてありますので、「約60㎝」離れた位置にスピーカーを置きました。
また、できるだけ低音が籠らないように高さ約60㎝のラックの一番手前に置きました。
これは、「M3」の経験で、机の奥に置くと机の上面前部で音が反射され低音が膨らみ過ぎることが分かっていたからです。
試聴用の音源としては、音楽CDから録音した「MP3ファイル(192Kbps)」を使用しました。
録音には、音質がいいと感じている「Windows Media Player」を用いました。
再生には、SONYの「NW-A1200(20Hz~20,000Hz)」を使用し、出力を「ヘッドフォン」から「LINE OUT」に切り替えて「C20」に入力するようにしました。
PCを用いなかったのは、PCの音声出力では、往々にして、ヘッドフォンや内蔵スピーカーを想定して低音強調などの音作りがされている場合があるためです。
ちなみに、PCによっては、ラップトップ内蔵スピーカー用やラップトップ外付けスピーカー用や外付け5.1CHサラウンドスピーカー用など、出力機器に応じて出力モードを切り替えるようになっているものもあります。
こうした隘路を避けるために、PCではなくポータブル・オーディオ・プレイヤーを使用したものです。
実際に音を聴いてみても、PCよりもポータブル・オーディオ・プレイヤーの方がはるかにいい音がします。
特にラップトップPCなどはレベルが落ちる感じがします。
以上のようなセッティングと環境で「C20」の試聴を行いました。
≪試聴結果≫
「C20」を聴いてみて感じたことは次の通りです。
1.伸びのある低音
まず「C20」を聴いてみて感じるのは、非常に低域までよく伸びた低音なことです。
「M3」よりも明らかに伸びやかな低音を聴かせてくれます。
実際、“Wave Generator(Sine Wave Oscillator)”で調べてみると、「C20」の再生可能下限周波数は「50Hz」に及びます。さらに、音圧は下がるものの、「45Hz」付近まで微かですが音が出てきます。
ちなみに、私が調べたところでは、「M3」、「C3Ⅱ」および「C5」の再生可能下限周波数は、それぞれ「60Hz」、「35Hz」および「40Hz」でした。
ただ、「C20」の低音は、輪郭が少し曖昧で軽い感じがします。
いわゆる「ダンピング不足」で解像度が低いという印象です。
これに対して、「M3」は、骨格がしっかりした低音を聴かせてくれる感じです。
これは、「C20」が「Φ70㎜」のドライバーユニットを搭載し、非常に巧妙に設計された「超ロングダクト」の「バスレフ機構」で低音を増強しているのに対して、「M3」は「Φ50㎜」のドライバーユニットを搭載し、独特の「デュアル・パッシブ・コーン」を介した「スリット型バスレフ機構」で低音を増強しているための違いではないかと思っています。
「C20」の伸びやかな低音は確かに魅力なのですが、その軽さには多少不満が残ってしまいます。
この「C20」の低音の魅力は「鬼太鼓座」のアルバム「NEW BEST ONE」に収録されている「弓ヶ浜」で存分に発揮されます。
六尺太鼓の皮の振動が周囲の空気を揺るがす唸りとなって直接伝わってくる感じがします。
ちなみに、「弓ヶ浜」のマスターテープには「28Hz」という超重低音が記録されており、オーディオマニアがオーディオ機器のテストによく使用する曲のようです。
2.粒立ちがよく切れのある中・高音
「C20」の中・高音は粒立ちがよく切れのある音です。
新開発のドライバーユニットの特性によるものと思われますが、ピアノなどのインパルス音が非常にリアルに再現されます。
ただ、女性ヴォーカルなどは少し渇き気味に聴こえます。
「M3」の方がもう少し艶やかな感じがします。
3.ステレオを超える臨場感
2つのスピーカーを底辺とする正三角形の頂点に自分の頭が来るようにして聴くと、音楽に包み込まれるような臨場感を感じます。
「M3」と比べて格段に臨場感が上がったように思われます。
「C20」には以上のような特徴がありますが、色々試聴した中からこれらの特徴が活きると思われたアルバムを挙げてみます。
・鬼太鼓座「NEW BEST ONE」「怒濤万里」「富嶽百景」
特に「NEW BEST ONE」に収録されている「弓ヶ浜」は、2ch型PCスピーカとは想像ができない低音の迫力を感じさせます。高音の鉦の音も凛として響いてきます。
・内田光子「Beethoven, Piano Sonata No.28, No.29」「Beethoven, Piano Sonata No.30, N0.31, No.32」
左手の強靭な低音の打鍵音から右手の煌びやかな高音まで、これぞスタインウェイという響きを聴かせてくれます。
まるで眼前で演奏を聴いているかのような臨場感を感じさせます。
特に、29番「ハンマークラヴィーア」では、ベートーヴェンの孤高の世界に惹き込まれてしまいます。
・徳永兼一郎「徳永兼一郎の世界」から「四大銘器の饗宴“無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調~サラバンド~”」
このアルバムは、バッハのサラバンドを、チェロの4大名器とされる、ストラディヴァリウス、ゴフリラ、アマティ、モンタニャーナで弾き比べたものです。
これも眼前でチェロが鳴り響いているかのような錯覚に陥ります。
非常にレベルの高いレコーディングが見事に再現されます。
・藤森亮一と吉田秀「チェロとコントラバスのための作品集“バッソ・ドルチェ”」
NHK交響楽団の首席チェロ奏者と首席コントラバス奏者の共演ですが、非常に力強くリアルなチェロとコントラバスの響きをボリュームたっぷりに聴かせてくれます。
・松居慶子「Best Selection」「Deep Blue」「The Ring(指輪)」「陽だまりの樹」「A Drop Of Water」「Cherry Blossom」「Collection」「Compositions」「Deep Blue」「Dream Walk」「Live」「Spring Selection」「The Piano」「Under Northern Lights」「Whisper From The Mirror」
松居慶子のアルバムには、どれも重低音のベースギターが入っていて、この重低音が非常に心地よく響いてきます。
また、ベースの低音の上に松居が奏でるピアノの音も極めて魅力的に響いてきます。
・Robert Lakatos Trio「Never Let Me Go」
ソフトで軽快、流麗な演奏が非常に心地よく響いてきます。
ベースの超低音も聴きものです。
・Steve Kuhn Trio「Pavane For A Dead Princess」
クラシックを題材にした演奏ですが、伸びやかでふっくらしたベースの上に綴られるロマンティックなピアノの流れが何とも魅力的に響いてきます。
≪まとめ≫
長々と感想を書きましたが、まとめると、「C20」はその特徴をしっかり把握したうえで聴きこなすなら、購入しても後悔しないPC用スピーカーだと思います。
そのためには、イコライザー機能を搭載したPCで使用し、曲に応じて周波数バランスを補正しながら聴くのがいいと思います。
“Windows Media Player”や“iTunes”にはイコライザー機能が搭載されていますので、これらを使用してもいいと思います。
特に“iTunes”は、設定したイコライジング情報を曲ごとに記憶しておけるので、一度設定しておけば、次に再生するときには、改めて設定し直す必要がなく、同じ設定で再生できるため非常に便利です。
それから、ある程度音量を上げて聴いた方がバランスの取れた音になる感じです。
小音量だと低域が持ち上がった多少アンバランスな音に聴こえます。
「C20」には、音量に応じて音響バランス(周波数バランス)を自動的に補正する機能(いわゆる「ラウドネス機能」)が搭載されており、これが小音量時に過補正になるためではないかと思っています。
<2011年10月12日 追記>
「C20」の有り余る低音を持てあましている方もおられるようですので、イコライザーを使った私の低音コントロール方法を紹介します。
ここでは、「iTunes」の「グラフィックイコライザー」を例にして説明します。
「iTunes」のイコライザーには、デフォルトで「22種類」のプリセットが登録されています。
この中のプリセット「Bass Reducer」を基にして低音抑制のイコライジングパターンを作成します。
イコライジングパターンの例を図1、図2および図3に示します。
図1は、元々のプリセットパターン「Bass Reducer」をそのまま使用した「Bass Reducer 1.0」です。
図2は、元々のプリセットパターン「Bass Reducer」の低音減衰量を1.5倍にした「Bass Reducer 1.5」です。
図3は、元々のプリセットパターン「Bass Reducer」の低音減衰量を2.0倍にした「Bass Reducer 2.0」です。
再生する曲の音響特性に応じて、これらを使い分けるようにしています。
これで、かなり強めに低音が録音されている楽曲でも自然な感じに聴くことができます。
参考になりますでしょうか。
≪補足≫
「C20」の出力は公表されていませんが、「M3」が「57W」のACアダプターで「20W×2ch」の出力を得ていることから、「C20」のACアダプターに「76VA~98VA」と記載れているので、「30W×2ch」程度は出るものと推測されます。
以上
20人中、20人のユーザーが、このレビューを「役に立つ」と投票しています。
[データ更新日時:2012/05/24 13:20]
最安値¥28,800
平均価格:¥31,453
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