Z68 Extreme4 Gen3

[マザーボード]ASRock/アスロック

Z68 Extreme4 Gen3

購入価格:未記入 購入日:2012年2月 購入店:体験レビュー

みんなの評価みんなの評価:5.0 / 5.0 (14商品レビュー)

►レビュー数:14 ►ブックマーク数:40

tdamさんの評価

満足度:5 star rating

価格
拡張性
機能性
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【体験レビュー】ASRock「安価な高級」M/B【3つの3】

高品質でコストパフォーマンスがよい・さすが移行重視のASRock!な機能・IESは良好

説明書が直訳・ドライバDVDが強引・LucidVIRTUは不安定

ボード紹介とUEFIの詳細動画
全体像 付属品一覧 OC時のAXTU
このレビューはconeco.netの体験レビューです。

更新履歴
2012/2/22 動画のコーデック変更により画質向上
2012/2/25 Celeron G530低電圧化の結果を追加
2012/2/29 Ivy Bridge4/8から延期?Sandy3月に買うか…
2012/3/4 XFast USB機能検証
2012/3/11 LucidLogix VIRTUを試す
2012/4/4 Core i5 2500Kで倍率オーバークロック+IES



はじめに
巷では今年の4月8日にIvy Bridge(用のZ77マザーボード)が出るという情報が流れていますが追記 4月29日や、最悪6月という残念な情報も…、そのころに一層安くなるであろう倍率フリーのSandy Bridge (Core i5 2500K辺り)で、「そこそこ」のゲーミングマシンを組もうと物色していたのですが、ASRockのコストパフォーマンスと評判の高さが目立っていました。また、どうせ買うなら安いH61やH67より、全部入りのZ68だろうなと漠然と考えておりました。

そんな折、このマザーボードZ68 Extreme4 Gen3の体験レビューが募集しており、幸運にも選考していただけました。この場を借りて、提供のマスタードシード株式会社様、coneco.net様に御礼申し上げます

さて、ASRockといえば「変態」というか「環境移行重視」かつ「革新・挑戦的」なメーカーのイメージが強いですが、本製品Z68 Extreme4 Gen3はどのあたりが環境移行を見据えており、どれほど革新・挑戦的なのかをさまざまな角度から検証してまいりたいと思います。


説明書とドライバ
まず、説明書は非常に分厚い機能解説の多言語版と、薄いUEFI・AXTU説明版がありますが、特に後者は英語の直訳のようで非常に分かりづらいです。

ドライバDVDは、自動実行でOSごとに適切なドライバ・ソフトウェアがインストールされます。しかし、デフォルト設定ではAdobe Acrobat Reader「英語版」やNortonの体験版など、不必要なソフトまでインストールされてしまいますので、マニュアルで選択するようにしましょう。
また、ドライバインストール時に予告無しに自動で何回か再起動されてしまいますので、ドライバをインストールしている際には他ソフトのインストールやBIOSアップデートなど、重要な作業は行わないようにしましょう。

加えて、ASRockのウェブページから"MAGIX Multimedia Suite”というマルチメディアスイート(mufin player、Music Maker Silver、Video easy SE、Photo Manager 10)が無料でダウンロード可能です。


付属品
その他の付属品はそこそこ充実しており、I/OパネルSLIブリッジ(CrossFireXブリッジは無し)、SATA3ケーブル*4(直線状*2、片側L字*2、いずれもラッチあり)、4ピンペリフェラル→SATA電源ケーブル*2FDDケーブルΦ3.5mm音声ケーブル、そして3.5インチベイ用フロントパネルとなっています。

なかでも、USB3.0ポート増設用の「3.5インチベイ用フロントパネル」は秀逸で、2.5インチSSDを本体に取り付けることができるので、スペースのムダが減らせます。(詳しくは動画で)
また、パネル部分を取り付けなおすことで、「PCIスロット固定式」に変更することもできます。ただし、USB3.0端子の形状が、ほかのマザーボードでも使用できるかは不明です。


「3つの3」
タイトルにも3つの3というキーワードを挙げましたが、これは本製品が対応する新規格、USB3.0SATA3 (6Gb/s)、そしてPCIexpress 3.0の事を(勝手に)指しております。3が3つそろったからといって、決してアホになるわけではありません。(ちょっと古い?)

まず、USB3.0SATA3ですが、ローエンド(H61)のマザーボードの中でも独自チップセットを搭載することで対応しているものもあるように、最新のマシンを語る上では必要不可欠といってもよいでしょう。特に、SATA3は最新SSDをフル活用する上ではなくてはならない機能です。

最後のPCIexpress 3.0ですが、残念ながら現行CPUのSandy Bridgeでは対応しておらずCPUに次世代Ivy Bridgeを用いたときにのみ対応することになります。
とはいえ、PCIx 3.0 x16の大域をフルに活かすには現在のハイエンドGPUが必要であろうと思われますので、ミドルレンジ好きの私としてはあまり惹かれる要素ではないことは事実ですが、将来のアップグレードと技術革新(数世代後にハイエンドがミドルレンジに下りる?)を見越すと、いまからGen3対応は「流石ASRock」と思う機能です。


価格はミドルレンジ、機能と品質はミドルハイ
実勢価格で13000円弱とまさにミドルレンジの価格ですが、機能と品質はハイエンドとまでは行かないまでもミドルハイを名乗ってもよいクラスであると思います。昨年の世界のマザーボード売り上げではAsus、Gigabyteに続き、ASRockがシェア3位に躍り出たそうですが、このコストパフォーマンスの高さが支持されているのでしょう。

具体的には、従来の2.5倍の耐久性を誇る「日本製ゴールドコンデンサ」デジタルPWMとV8+4電源フェーズヒートパイプつきのヒートシンクといった機能が該当します。マザーボード基板のこげ茶色も高級感の醸成に貢献しています。


意外にうれしいC.C.O.
私が、ASRockのマザーボードを買おうと決めていた理由のひとつが、C.C.O.(Combo Cooler Option)です。動画でも挙げましたが、ASRockのマザーボードにはCPUクーラー固定用のピンホールが2セット(8ヶ所)あり、LGA1155や1156だけではなく、二世代前=LGA775用のCPUクーラーも固定できるようになっています。

うちには使わなくなった大型CPUクーラー、ANDY SAMURAI MASTER(775/AM2世代)がありましたので、追加出費を抑えられました。「環境移行重視」目線で素晴らしい機能だと思います。


BIOSから新しくなったUEFI
AMD 790G以来の自作なので、ちょっとした浦島太郎状態ですが、これまでの無機質なBIOSが進化して、UEFIというグラフィカルな設定画面になっています。マウスの使用も可能になっています。(詳しくは動画)

ドライブの起動順位、AHCI・RAID、ファンコントロール、温度・電圧モニタリング、メモリタイミング(XMP対応)やCPUクロック・電圧などのOCの設定がここで行えますが、ファンコントロール、温度・電圧モニタリング、CPUクロック・電圧の設定は付属ツールのAXTU(ASRock Extreme Tuning Utility)によってWindows上で制御可能です。

というのも、UEFI上で過大な設定を行ったせいでUEFIすら起動しなくなった場合はCMOSクリアが必要になるうえ、OC設定での安定動作を確認するためにはOS起動が必要ですので、AXTUでチマチマ行ったほうが安全かつ便利でしょう。
また、SATA3はZ68、Marvell 88SE9120それぞれで、IDE互換・AHCIモードを設定可能で、NCQやSSDのTrimコマンドを使用するために通常はAHCIにするとよいでしょう。なお、Z68はRAID 0/1/5/10にも対応しています。


Celeron G530でのBCLKオーバークロック
まずお約束ですが、オーバークロック(OC)・電圧昇降は保障対象外の行為であり、運が悪ければCPU、マザーボード、メモリはもちろん、SSD、HDD、GPUなどの連動パーツが破損してしまう可能性があります。また、製品個体によってOC耐性が異なるため下記の設定値は再現しない可能性もあります。従って、すべて自己責任でお願いします。

さて、Core i シリーズがNehalem (LGA1156)からSandy Bridge (LGA1155)になるに伴い、DOS/V POWER REPORT によるとチップセットがH67/P67では、内部PLLのベースクロック(BCLK)がPCIeやSATAと同期するため、倍率固定CPUではベースクロックを上げてのオーバークロックが難しくなるという問題がありました。倍率上限が自由なCore i 7/5のKシリーズを見るに、CPUの耐性は悪くなさそうなだけにこの制限は残念です。

ただし、PC Onlineのネガティブな情報(Z68でも外部PLLチップは無意味)がある中、チップセットがZ68かつ、OC向きのこのマザーボードではどうだろうか?という淡い期待を胸に、とりあえず倍率が低く上方マージンのありそうなCeleron G530 (2400MHz)を積んでBCLKがどこまで上がるかを、OS上のAXTUで制御し、ベンチマークテストを行いました。

OC設定Prime 95 2.6.6 (Small FFT)とゆめりあベンチ改 (1024*768、最高画質)を同時実行して、10分間フリーズまたは停止しないことで「安定動作している」ものと定義します。定格では電圧等は特に弄らず、OCではCPUコア電圧のオフセットを+0.05V上昇、VCCSAを0.925Vから1.016Vに上昇、BCLKのみを上げていきます。OSがフリーズまたは再起動すればその時点で終了としました。

結果、BCLK 105.72 MHz (実クロック 2537MHz)までは「安定動作」を確認しました。これはCeleron G540の2.50GHzを上回っています。とはいっても1000円程度の価格差なんですけどね…。なお、CPUコアやCPU PLL Voltageをさらに上げても上限は変わりませんでした。IGPUを上げるとフリーズしました。

従来Sandy Bridgeでは2~3%上がれば良いといわれているBCLKですが、本マザーボードでの「5.7%」のオーバークロックマージンは想像以上でした。ほかのZ68マザーと違って、PCIexpressの制御に別途PLX PEX8608 チップを採用しているのがよかったのかもしれません。今後、同様のPLL周りに独立チップを搭載したZ68マザーボードが出てくるかもしれませんが、BCLKのOC耐性に注目です。


ベンチマークと消費電力測定
以降のベンチマークでは安全マージンを考えて、オーバークロック時はBCLK 105 MHz (実クロック 2520MHz)で行いました。

<マシン構成>
CPU:Intel Celeron G530 (定格2400MHz、TDP 65W)
M/B:ASRock Z68 Extreme4 Gen3 (本製品)
メモリ:A-DATA AX3U1600GC4G9-2G (DDR3-12800 4GBx2 DDR3-1333動作)
SSD:Crucial m4 64GB CT064M4SSD1
DVD:LITEON IHAS524-T27
BD:LITEON iHOS104-06
電源:Antec EA-650
ケース:Cooler Master CM Storm Scout (SGC-2000-KKN1-GP)OS:Windows 7 Ultimate 64bit SP1

各結果は(左)2400MHz(右)2520MHzの順になっています。

<Windows エクスペリエンスインデックス>
とりあえず、一般の方に最も馴染み深いベンチマークであるWindows エクスペリエンスインデックスを測定しました。ただ、グラフィックがCPU内蔵ですので、本マザーボードが寄与する部分は小さいですね。

プロセッサ: 6.3 → 6.3
メモリ: 7.6 → 7.6
グラフィックス: 5.2 → 5.2
ゲーム用グラフィックス: 5.9 → 5.9
プライマリハードディスク: 7.9 → 7.9

<Superπ>
昔からあるシングルコア性能のCPUベンチマークソフトです。π焼きの速さは実使用にはあまり関係がないですが、結果だけ見ると性能以上にIntelとAMDの差が開く傾向があります。

104万桁:16秒 → 16秒
419万桁:81秒 → 77秒

<CrystalMark 2004R3>
定番の総合ベンチマークソフトです。パソコンを買ったらor作ったら、とりあえずこのソフトで性能を見るとよいでしょう。

CrystalMark : 134649 → 135098
[ ALU ] 25802 → 25641
[ FPU ] 21826 → 22236
[ MEM ] 34044 → 34309
[ HDD ] 34212 → 33526
[ GDI ] 13563 → 14041
[ D2D ] 2165 → 2270
[ OGL ] 3037 → 3075

<CINEBENCH r10 32bit版>
3Dモデリング用のCPUとGPUの性能を見るベンチマークです。OpenGLに対応しています。現状は11.5が最新なので、10はちょっと古いですが、こちらの旧世代のCPUとの比較のために。

Rendering (Single CPU) CB-CPU: 3118 → 3278
Rendering (Multiple CPU) CB-CPU: 5958 → 6265
Multiprocessor Speedup: 1.91 → 1.91
Shading (OpenGL Standard) CB-GFX : 3492 → 3857

<3DMark 06>
DirectX 9.0c、Shader Model 2.0/3.0世代の3D性能を見る定番ベンチマークです。3DMark Vantageはなぜか動きませんでした。(GPU性能が低いせい?)

3DMark Score 3034 → 3189
SM2.0 Score 1015 → 1065
HDR/SM3.0 Score 1215 → 1280
CPU Score 2432 → 2555

<ゆめりあベンチ>
実行しているところを決して他人に見られたくない、美少女ゲームのベンチマークです。純粋にGPU周りのみの性能に依存していることで有名で、CPUやチップセットの影響を極力排除した結果が得られます。バイナリを改造すると高解像度で実行できたり…。

1024*768、画質最高: 11800 → 11863

<消費電力>
サンワサプライのワットモニター TAP-TST8で、アイドル時の最低消費電力と、ベンチマーク時(Prime 95 Small FFT+ゆめりあベンチ同時実行で負荷をかけたとき)の最高消費電力を測定しました。

アイドル時: 55.4 W → 55.5 W
Prime95のみ: 77.6 W → 76.7W なぜか逆転
ベンチ最大: 83.4 W → 88.4 W
消費電力差28.0 W32.9 W


低電圧化 2012.2.25追記
低電圧化を定格周波数(2400MHz)・0.010V刻みでAXTUを用いて試験しました。安定動作の確認はオーバークロックと同様です。低電圧化も保障対象外になりますのでご注意を。

安定動作下限1 Vcore -0.110V
アイドル時: 53.8 W (CPU-Z読み 0.848V)
Prime95のみ: 72.5 W (CPU-Z読み 1.032V)
ベンチ最大: 78.3 W (CPU-Z読み 1.032V)
消費電力差: 24.5 W

低電圧化を行うことで定格電圧(0.960V~1.136V)と比べて、それぞれ1.6W~5.1Wも消費電力を減らすことができました

ただでさえTDP35Wクラスと同等に消費電力が低いのにもかかわらず、さらに0.1V以上の低電圧耐性まであるとは驚きです。

それより(-0.120V)下げると、ゆめりあベンチ同時実行時に消費電力が上ブレする現象が見られました。これは、IGPUの電圧不足が原因と判断して、IGPU Voltage Offsetを+100mVに設定し、Vcoreの下限をさらに探りました。

安定動作下限2 Vcore -0.200V&IGPU+0.100V
アイドル時: 53.6 W (CPU-Z読み 0.768V)
Prime95のみ: 68.6 W (CPU-Z読み 0.944V)
ベンチ最大: 82.2 W (CPU-Z読み 0.944V)
消費電力差: 28.6 W

と、電圧を下げたにもかかわらず、ベンチ時の最大消費電力は「安定動作下限1」より上がってしまいました。CPUのみを使う場合(Prime95のみ)は確かに5Wほど下がっていますので低電圧化の効果はあるのですが、内蔵GPUもフルロードで使うならVcoreは下げすぎないほうがよいということでしょうね。

なお、Vcore -0.210V以下では即フリーズしました。流石にこれ以上は怖いので、Celeron G530の低電圧化の検証はココまでということにします。Kシリーズが楽しみです。


XFast USB
USB接続のストレージの転送速度を上げるXFast USBを、ポータブルHDDのArmor A10(SP500GBPHDA10S2K)で検証してみました。HDD側の速度の関係上、USB2.0接続ですが、一般的な用途としては、想定されるケースだと思います。ポータブルHDDのUSB接続を行うと常駐ソフトが立ち上がり、ターボ化することができます。結果は以下のとおりです。

Sequential Read : 32.676 → 40.104
Sequential Write : 30.297 → 36.021
Random Read 512KB : 22.439 → 26.467
Random Write 512KB : 28.700 → 26.529
Random Read 4KB (QD=1) : 0.545 → 0.540
Random Write 4KB (QD=1) : 1.569 → 1.528
Random Read 4KB (QD=32) : 0.545 → 0.550
Random Write 4KB (QD=32) : 1.538 → 1.487

CrystalDiskMark 3.0.1 100MBでのテスト(単位 MB/s)の結果、シーケンシャル読み書きにおいて約20%の速度向上が見られました。

ただ、代理店HPの「USB 3.0の転送速度を97.7%、USB 2.0だと、なんと396.28%の速度向上」という、とてつもない加速はを実感することはできませんでした

また、ランダム読み書きの速度はほとんど変化しませんでしたので、シーケンシャルを活用できる大容量のファイルの転送にのみ有効な機能、といえそうです。局面は限られますがソフトウェア上のだけで対応できるので、無いよりは有ったほうが良い機能かな、と思いました。


LucidLogix VIRTU
LucidLogix VIRTUとは、CPU内蔵グラフィックと外部ビデオカードを「いいところどり」で使用するという機能を追加するソフトウェアらしいです。結論から言えば、不安定で全く使い物になりませんでした。

Radeon HD 5770をPCIe x16 2.0に増設してAMDのドライバ(Catalyst 12.2)を追加、さらにLucidLogix VIRTU(最新1.2.112)をインストールしました。また、ベンチマークに使用するソフトウェアをLucidLogix VIRTUの設定画面で追加しました。

以下、アイドル状態ではCPU内蔵グラフィックスを使用し消費電力を抑え、高負荷時には外部ビデオカードを使用"する、i-Modeでの検証です。なお、i-modeではDVIケーブルはM/B側に装着しています。

左から、Celeron G530内蔵定格HD 5770単独定格i-mode ON=CPU/外部GPUの両方を利用i-mode OFF=外部GPUのみ利用の結果です。

<CINEBENCH r10 32bit版>
Shading (OpenGL Standard) CB-GFX
3492→646730473256

ゆめりあベンチ
1024*768、画質最高:
11800→850235614310970
(ただし、i-mode ON/OFFに関わらず、VIRTU時にはスコア以上にカクカクしていた)

消費電力 (W) (詳細は前述)
アイドル時: 55.4→81.894.694.4
Prime95のみ: 77.6→104117113
ベンチ最大: 83.4→171156129
消費電力差: 28→896135


以上を総合すると、LucidLogix VIRTU(i-mode)利用では消費電力はHD5770単独より高く、性能はCeleron G530内蔵より少しだけ高いが不安定という散々な結果になりました。これはおそらくCPU/GPUの帯域の問題と、各ドライバの連携が悪くアイドル時にRadeon HD 5770の低電圧・クロック(コア157MHz/メモリ300MHz)状態に移行しなかったためではないかと思われます。CPU-Zの情報では、HD 5770は常にコア850MHz/メモリ1200MHzのままでした。

また、i-modeをOFFにするとAMDドライバのCCCが停止してエラーが出て、再びONに戻しても復旧しないという現象も発生しました。というわけで、不安定すぎるのでVIRTUはアンインストール、DVIケーブルはHD 5770側に戻しました。

今回は残念な結果に終わりましたが、アイドル時に消費電力を抑える、またはGPUエンコード機能を最大限活用するという意味では非常に面白いコンセプトではあります。Ivy Bridge+Z77での進化・安定に期待というところです。


Core i5 2500Kへの換装
Ivy Bridgeが4月末に出るという確定情報が出ていたのに、倍率上限なしのSandy Bridge Core i5 2500Kをこの期に及んで購入です。でも、初期出荷が少なく品薄の可能性が…。早速、倍率変更によるオーバークロックを確認しました。

念のためもう一度になりますが、オーバークロック(OC)・電圧昇降は保障対象外の行為であり、すべて自己責任でお願いします。

Core i5 2500Kオーバークロック
ベンチ詳細はCore i5 2500Kのレビューに譲るとして、ここでは定格電圧(オート)およびVcore手動昇圧時の安定動作クロックと消費電力・CPU温度(室温20℃)のみを示したいと思います。

なお、オーバークロック時はTDP(95W)以上に消費電力枠を拡大する必要があるため、UEFIのOC Tweakerから、”Turbo Boost Power Limit”を”Manual”に、”Short Duration Power Limit”(デフォルト118W)と” Long Duration Power Limit”(同95W)をともに”200W”に設定しました。

その結果、定格33倍+ターボブースト(TB)最大37倍 (VcoreはCPU-Z読みで0.960V~1.184V)に対して、電圧オートでは43倍 (0.952V~1.256V)、+0.050Vでは44倍 (1.008V~1.304V)、+0.100Vでは45倍(1.056V~1.352V)が上限でした。以下にそれぞれの消費電力とコア温度を記します。

定格33倍(+TB)→43倍44倍(+0.05V)45倍(+0.10V)
消費電力 (W)
アイドル時: 56.7→56.557.257.8
Prime95のみ: 118→150163176
ベンチ最大: 135→167181196
消費電力差: 78→94124138

コア温度 (℃)
アイドル時: 28→292829
Prime95のみ: 50→616368
ベンチ最大: 52→626772
温度差: 24→333943

やはり電圧を上げてオーバークロックすると消費電力が跳ね上がるようで、それだけ発熱が増えるわけですからCPUクーラーやケースファンなどの冷却系にも気をつける必要があります。実際、UEFIの”Turbo Boost Power Limit”が”Auto”(95/118W)のままだと、42倍以上に設定してもベンチマーク時にTDPの上限に抵触したためか、自動的に41倍まで落ち込んでしまいました。(そのときの最大値151W→ここからCPU以外の消費電力は56W程度と推定できる?)

とはいえ、電圧を上げると36%以上(おそらくVcore・Internal PLLともに上げればポテンシャルはもっとあるはず)、電圧を特にいじらなくても30%以上もクロックが上げられるというのは、いまさらSandy Bridgeの底力を見たような気がします。


IES(インテリジェント・エネルギー・セーバー)
AXTUのメニューの中に、IES(インテリジェント・エネルギー・セーバー)というタブがありました。これは、「CPUが低負荷の際に余分な電源フェーズをオフにすることで、エネルギー効率を向上」させる機能のようで、確かにONにするとフェーズが減ったり電圧が低くなったりしていました。

以下に、Core i5 2500K定格でのIESオンオフ時の消費電力を示します。なお、倍率マニュアル上昇(OC)時にはIESはオンにできませんでしたので、33倍に固定してあります。IESオン時にはCPU-Z読みのVcoreは0.888~1.120Vと、標準電圧より0.07Vほど低下していました。

IES オフオン
アイドル時: 56.755.6
Prime95のみ: 118109
ベンチ最大: 135126
消費電力差7870

というわけで、IESをオンにすることで1~9Wの消費電力低減が達成できました。しかしながら、同じAXTUから手動で低電圧駆動を探ったほうが電力削減幅は大きいですので、IESは手軽さ重視の省電力機能といえると思います。ASRockのホームページによると、IESによりCPU VRの消費電力が最大48%削減できると謳っているようですが、総消費電力の絶対値としてはそこまでの削減効果は見られませんでした。


まとめ
USB 3.0+SATA 3+PCIe x16 3.0(全部入り)かつ、USB3.0前面パネルや豊富なファンコン機能、日本製固体コンデンサを搭載したZ68のミドルハイマザーボードが一万円強ですから、うれしい時代になったものです。シェア3位に躍り出たのも当然かなというべきか、ASRock本来の「変態さ」は薄れて、非常に安定したコストパフォーマンス重視のマザーボードだと思います。

4月8日にローンチされるZ77は現行のZ68マザーと機能的に大差なかったりしますので、これから4月末以降にIvy Bridgeを一台組まれる方でも、安くなってさらにコストパフォーマンスが良くなったこのマザーボードを考慮に入れてもいいと思います。

個人的には、Z77とIvy Bridgeの初物に高いお布施(おそらくCPU+マザーで7万円以上?)を払うぐらいなら、このZ68とSandy Bridge (2500Kなら3万円)で妥協して、浮いた予算でSATA 3の高速SSDを購入したほうが幸せになると思います。まあ初物を個別で買う人にとっては2万円以上のSSD同時購入など造作もないことかもしれませんが。

さて、余ったCeleron G530はどうしましょうかね…。投売りのH61と合わせて新規マシンをもう一台組んでしまいたいような。

【conecoからのおしらせ】coneco.net体験レビューサービスはこちら
2012/02/22 02:59

閲覧者(3351

コメント(11

55人中、55人のユーザーが、このレビューを「役に立つ」と投票しています。

レビューご苦労さまです

無謀な突っ込みを入れさせて下さい

Celeron G530は
CPUコアの電流(アンペア)よりIGPUの電流のほうが高いのかななんて

例:
CPUコア:45A
IGPU:60A
CPUコア消費電力 45A * 0.944V = 42.5w
IGPU消費電力 60A * (X[もとの電圧] + 0.1V ) = 23w
その他 17w(電源ロス込み)
合計:42 + 23 + 17 = 82w とか????
なのかな? なんて勝手な想像しています.

単体のグラフィックカードもコア電圧が1volt前後で200wクラスのものがありますから電流はそら恐ろしい数字の気がします.

投稿日時:2012/02/25 18:25

tdamさん投稿者

群ヤス@伊勢崎さん、コメントありがとうございます。

なかなか面白い思考実験のご提示ありがとうございます。

そうですね、遠い昔の記憶ですが物理で消費電力W=電流I×電圧Vと習った記憶があります。(CPUを普通の抵抗(ニクロム線)と同じとみなしてよいものなのかは分かりませんが…)

今回の場合、CPUコア電圧とIGPU電圧が連動するのが問題を難しくしていますね。おっしゃるとおり、GPUはX+「喝」入れした0.10V分だけ電圧が上がるのですが、基準電圧(VcoreとXオフセットと)もそれ以上に(0.20V)下げているので、差し引きではIGPUも電圧-0.10Vになっているはずなのに消費電力が上がるという謎が残ります。

そう考えると、CPUコア(Vcore)とIGPUコア(X)は完全には連動していないのかもしれませんね。Vcoreオフセットが-0.120V以下で、ゆめりあでGPUを全力で使うと消費電力が10Wほど上下しましたので、ひょっとしたら「IGPUの電圧を下げすぎない」安全回路的なものがあるのかもしれません。

あと、SSDやドライブ2つの待機電力に加え、メモリや電源ロスとかM/B上のチップ、各種ファンの消費電力は17wよりもっと大きい(40W程度?)と思いますね。ゲーミングケースなのでケースファンが3つ、それにCPUファンもありますから…。

しかも、昔のCPUよりもコア内に含む要素が、メモコン→GPUとどんどん増えているうえ、発熱(温度上昇)に応じて抵抗値が上がりますので、等価回路や数式で表示するのは難しそうですね。

Junさん

レビューありがとうございます。このマザーボードを買う予定なので参考になりました。

どうやら、2:10のその他のチップは"PLX PEX8608"という
全てのPCI Expressの同時使用を可能にするチップのようです。

投稿日時:2012/02/26 19:13

tdamさん投稿者

Junさん、コメントありがとうございます。

このM/Bに限らず、円高かつIvy前の処分価格でZ68・P67・H67あらゆるマザーボードが安くなった今がお買い得ですね。このM/BはGen3かつIvyBridgeにも対応しているので、息長く使えるでしょうね。しかも、Z77世代は人件費高騰等でQ2には値上げというニュースがありますし。問題はSandyにするかIvyにするかですけど…。
http://www.techpowerup.com/159901/PC-Motherboard-Prices-to-Rise-By-10-By-Q2-2012.html

>どうやら、2:10のその他のチップは"PLX PEX8608"という
>全てのPCI Expressの同時使用を可能にするチップのようです。

そうですね、あのチップがPLX PEX8608であったことは、CeleronのOCを再検証していて気づきました。BCLKの耐性が他のZ68マザーに比べて少しだけ高いのも、このチップのおかげではないかと思います。

動画を再編集する際には修正しておきます。ご指摘ありがとうございました。

たびたびお邪魔します
すみません

>>「PCI Expressの同時使用を可能にするチップ」
正確には「スイッチする(切り替える)」と思われます
*PCIE x1を 配下のデバイスのどれに使わせるかを交通整理する.
LANがこいつの下にぶる下がっている点が、このMBの最大の悩む点と思います.
実害はなく、好みの問題ですが
*私はASRock P67 Extreme4を使用していますが.同じチップがのっています.
間違っていたらごめんなさい.
*情報参照ツールのHWiNFO32でバスの情報を見ると、接続形態が分かります.

おじゃましました.

投稿日時:2012/02/26 20:56

tdamさん投稿者

群ヤス@伊勢崎さん、解説ありがとうございます。

ということはPCIex1の何かしらのボードをこのチップの下に挿していると、競合するLANが速度低下が起こるかもしれないということですね。

まあ、PCI Express 2.0は一レーンあたり10Gbps=1GB/s(一方向あたり500MB/s)なので、ギガビットLANの帯域よりも十分広いですから大丈夫でしょうね。

うちにPCIex1ボードはありませんが、とりあえずギガビットハブ下のPC二台で、ギガビットLANの速度がキチンと出るか検証してみます。付属ソフト「XFast LAN」が役立ちそうです。

補足させていただきます

CPUからの依頼が実際のデバイス(LANコントローラ)等に渡って帰るまでの間でPCIEが使われる時間はほんの一時です.デバイスの処理時間の方が絶対的に長いです.
一回に通信するデータのサイズもそんなに巨大ではないの(大きなデータを分割している)で、まち時間もそれほど大きくはないと思います.
共有しているPCIE x1 でSATAカードを刺し、SSDに大量のコピーでもしないと見えないと思います.しかも有ってもごくわずか.

それでも、tdamさんのように、問題に気づかれる人には、気になる点ということです.

投稿日時:2012/02/26 21:57

tdamさん投稿者

群ヤス@伊勢崎さん

なるほど。大量の読み書きアクセスを行うデバイスと競合すれば、LANの通信に遅延が起こる「こともあるかも知れない」程度、という理解で良いのですね。

よく考えたら、PCIe x1に競合する増設デバイスがないのでLAN速度の検証は意味がなかったですね。やめておきます。

いい記事が出たので追記させていただきます
[2012.03.06現在]
出典:日経 PC Online DIY PC
「PCI Expressのレーン数はスイッチチップでなぜ増える?」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20120228/1042387/
実際、LANをPLX PEX8608の下に置かなくてもいいではないかと思うが
数字に見えにくいリアルタイムより、数字に出やすいストレージの帯域を重視したといったところでしょうか.

投稿日時:2012/03/06 14:12

tdamさん投稿者

群ヤス@伊勢崎さん、記事のご紹介ありがとうございます。

スイッチチップのメリットは、"分岐後に片方のデータ量が少ない場合に、もう片方の帯域を増やせる"(スペック上帯域が増えたように見える)こと。

片やデメリットは、"データの流れを振り分ける処理が間に入るため、多少の遅延が発生"ということですね。

小さな声でいいますが、
この記事、見方を変えると、
日経WinPc(日経BP)からの(ボクシングの)軽いジャブにも見えます
「ほーー、ゴールド....?」

WinPcさんも、このごろはライターさんにまともな人を使い出して建て直し中です.
少し時間が足りないかなとは思いますが、以前のwebからデータをかき集めてきたような記事(従ってすこし変)よりだいぶましになってきました.

二社とも頑張って欲しいです.

トレーダーさんならきちっとPCIEx4に、いいLANカード挿すと思いますから、問題ないでしょう.

投稿日時:2012/03/07 13:58

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