P280
【体験レビュー】P180を超える傑作ケース【追記済み】
デザイン、組立てやすさ、XL-ATX対応
スイッチ/LEDケーブルが短い
Antec P280 レビュー
このレビューはconeco.netの体験レビューです。
12/21 試用開始約1ヶ月の追記
Introduction
AntecのP180といえばハイパフォーマンス静音ケースとして絶大な人気を誇り、Mini 180/P183/P193など多くの派生モデルも存在します。
P180の登場から5年半が経過した今、ついに型番の百の位が上がった後継モデルが登場しました。
その名もP280。特徴的なフロントパネルや静音志向のサイドパネルをP180から受け継ぎ、エアフローの強化、XL-ATXサポート、USB3.0ポートやSSD向け2.5インチ専用ベイの搭載で最新パーツにも対応できる仕様となっています。
Features
・ハイパフォーマンス静音ケース「Performance One」シリーズ最新モデル
・2層サイドパネルやフロントパネル裏の吸音スポンジによる高い静音性
・XL-ATX対応、拡張スロット9本搭載で拡張性もバツグン
・広い裏配線スペースや大きなCPUカットアウトで楽々メンテナンス
・前面にUSB3.0ポートx2
・HDD用マウンタは2.5インチSSDも取り付け可能
・フロントパネル内側と底面にダストフィルタ装備
・実売14000円台
今日流行の機能性や拡張性を、Antecらしいデザインや品質で形にしたケースです。
初値でいきなり14000円台という価格も魅力的です。
Accessories
・P280本体(ファン3つ搭載済み)
・簡易マニュアル
・タイラップx6
・ネジ類一式
マニュアルが本当に簡素な作りです。各部の名称くらいしか書いてません。
もっとも現物を見るだけで戸惑うこともなく組み立てられます。
External Impressions
前面
防音とデザインを兼ねたフロントパネルが外観の最大の特徴でしょう。シンプルでモノリシックなデザインはどんな部屋にも合いそうです。写真だとパネルの色がわかりにくいかもしれませんが、ガンメタリックというのが一番近いと思います。パネル以外は全て黒です。
Antecロゴがさりげなくエンボス加工されたパネルの裏側には吸音スポンジが貼りつけられています。
フロントパネルにはヒンジが2ヶ所あり、270度まで開くのはP180系と同様です。
パネルとケース本体の間には10.5mmほどの隙間があり、ここから吸気するようになっています。
このパネルを開けると3つの5インチベイと大きなダストフィルタが顔を出します。このフィルタは外側からツメで引っ掛けてあるだけなので、簡単に外して掃除できます。
天面
フロントパネルから上に視点を移すと、USBポートやヘッドホン端子が並んでいます。P180系ではパネルの右下にあったこれらのポートですが、P280ではパネルの上部に移動して全体が左右対称のデザインになったために、非常にすっきりとした感じになりました。
USBポートの右隣に電源LEDが、ヘッドホン端子の左隣にHDDLEDがあり、トップパネルに電源・リセットスイッチがあります。
個人的にはどうもこのあたりの配置とデザインが浮いているように思えて仕方ありません。LEDは隙間に無理やり押し込んだような感じがしますし、スイッチ周りの曲線は直線を多用した他の部位のデザインとあまりにもミスマッチ。今後のマイナーバージョンアップのために、初期モデルはとりあえず適当な仕上げで出したのでは、と考えるのはひねくれすぎでしょうか。
トップパネルのケース後方側には120mmファンx2の搭載スペース。ハニカム状メッシュが2.3mmほど打ち出されている格好です。
側面
手回しネジで固定されるサイドパネルは左右ともファンやメッシュの無い1枚板です。0.8mmの鋼板の裏にポリカーボネートを貼り合わせてあり、重量を増やすことなく遮音性を上げようとしているのだと推測されます。
底面
ケース底面の電源搭載部にもダストフィルタが装備されています。これもやはりケースの外側から引き出して掃除できます。細かいことですがこのフィルタの取手の出っ張りが大きくてデザインを損ねているので、もう少し目立たないデザインのほうが良かったです。
背面
背面には120mmファンが1つ搭載可能。トップの2つとあわせて標準で3つのTWOCOOLファンが付属します。それぞれ回転数を600/1200rpmの2通りに選択できるスイッチがついています。
水冷用ホールは存在に軽く触れる程度に止めつつ、注目は裏配線スペースの広さです。明らかにI/Oシールドが右寄りの配置=マザー裏のスペースが広いことを示しています。
Internal Impressions
全体の作りや質感
内部はサラサラした手触りの黒い塗装の質感が高いです。フレームのほとんどのエッジ部分は2mmほど折り返してあり、強度を高めると同時に怪我防止にもつながりそうです。
そしてマザーボードベースを始めとした面の部分も折り目が付けられていで、たわんだり歪んだりしにくくなっています。
デュアルチャンバー廃止
P180系での特徴だったデュアルチャンバー構造が廃止されているのが大きな変化と言えます。まるで普通のケースのようです。仕切りが無くなった分マザーボード周りが広々と使えるようになり、ケーブルの取り回しも楽になりました。
ドライブベイ周り
ドライブベイを上から見ていきますと、まず5インチベイは3つ、いずれもツールフリーで固定できます。
続いて2.5インチベイが2つ。レールに挿し込むだけでもがそこそこしっかりと固定できます。SSDなら駆動部分がないのでこれでも十分じゃないかと思います。もちろん心配な場合はさらにネジ止めもできます。
そして3.5インチベイが6つ。付属のマウンタにドライブをネジ止めしてレールに挿し込むタイプです。このマウンタは3.5インチと2.5インチドライブに両対応(3.5インチドライブのみ防振シリコン搭載)ですので、柔軟な構成が可能です。
3.5インチベイの前と後ろにはそれぞれ120mmファンを2つずつ取り付けられます。前の2つは付属の専用ネジにて、後ろの2つはフレームに取り付けられたプラスチックのツメで挟み込むことで固定します。
拡張スロット
XL-ATX対応ケースということで拡張スロットは通常のATXより2本多い9本です。たとえXL-ATXマザーでなくても、余ったスロットをeSATAやUSBブラケットに使うという選択肢もあります。
マザーボードベース
CPUカットアウトがこれ以上ないくらい大きいのも特徴です。マザーの上半分は穴が開いているというよりネジ穴しか残ってないレベルです。大抵のCPUクーラーはマザーをケースに取り付けたまま交換できるでしょう。マザーボードベースは折り目が加工されてますので、強度面での心配はなさそうです。
ファン電源変換基板
背面上部には付属のファン用の電源変換基板があります。ペリフェラル4ピンコネクタをひとつ挿せば、この基板経由で4つのファン(標準状態では3つ搭載)に電源を供給でき、配線をすっきりさせるのに一役買っています。もちろん他のファンに交換することも可能ですが、その場合は電源直結ですのでファンコン機能は使えなくなります。
マザー裏
裏配線スペースの広さも特筆すべき点です。マザーボードベースからサイドパネルまで実測で25mmほどもあります。タイラップを引っ掛けられる突起もいくつも用意されてますので、ケーブルをまとめるのは実に簡単です。
Measurement
カタログに載ってない各部の長さなどのまとめ
・フロントパネルとケース本体の隙間 10.5mm
・搭載可能なCPUクーラーの高さ 173mm
・搭載可能な拡張カードの長さ 325mm
・裏配線スペース 25mm
・3.5インチベイとサイドパネルの間隔 3.5インチHDD搭載時37mm、2.5インチSSD搭載時65mm
・電源と底面の間隔 13mm
・足の高さ 15mm
CPUクーラーは公称高さ163mmのSilver Arrowのヒートパイプ先端からさらに10mmほど余裕があります。
拡張カードは3.5インチベイのファン取り付け用のツメまでの距離で325mm、ツメに干渉しない位置のスロットなら350mmまでいけそうです。
Silver ArrowやN480GTX Lightningといったかなりの大物が問題なく収まりますので、大抵のパーツは入りそうな気がします。
Installation
組み込むパーツは以下のとおり
CPU:Core i5 2500K@4.5GHz
Cooler:Thermalright Silver Arrow
Mem:A-DATA AX3U1600GC4G9-2G x2(16GB) 1600MHz 9-9-9-24-2T
M/B:ASUS P8P67 EVO
VGA:MSI N480GTX Lightning
HDD:System=CT128M4SSD2/Data=WD1002FAEX
Sound:オンボード
電源:Rosewill Lightning-800
OS:Win7 x64
サイドパネルに結構な重量があり、しかもケースとのかみ合わせ・ひっかかりが少ないため、少しずらすとすぐに外れて落ちそうになります。着脱の際には片手をパネル下に添えておくのが無難です。
裏配線用のケーブルホールに装備されている目隠し板(正式名称不明)のおかげで見た目はすっきりするのですが、ケーブルを通す際に擦ってそのまま取れかかったりして少し手間がかかりました。
スイッチ/LED用のケーブルやフロントUSB2.0のケーブルが短いです。裏配線しようとするとATXマザーでもギリギリの長さでした。XL-ATXマザーだと届かないものも出てくるんじゃないかと思われます。
ちょっと気づいたんですがプロトタイプではスイッチがフロントパネルの裏側にあるんですよね。もしかしたら本来この位置にあるはずのスイッチを急遽製品版でトップパネルに持ってきたため、スイッチ周りの処理が取って付けたようなデザインでしかもケーブルが短い、という事態になっているのではないかと邪推してみます。
XL-ATX対応ケースでは単純にATXマザーよりスロット2本分長くなるため、EPS12V(あるいはATX12V)コネクタはまず延長ケーブル無しでは届かないと思います。別途用意することをお勧めします。
そんなこんなで組み込みが終わり、電源を入れてみると明らかに静かになって感動しました。
直前に使っていたケースがエアフロー重視メッシュケースのHAF922だというのもまた極端な乗り換えなんですが、騒音が半分くらいになったように感じます。
さらに面白いのはフロントパネルを開くと騒音が増えるのがはっきりとわかることです。フロントパネルや吸音スポンジがちゃんと機能しているようです。
Conclusion
P180系から特徴的なフロントパネルや静音志向のガッチリとした作りを受け継ぎ、弱点であったケース内の狭さや吸気の弱さを改善し、SSDやUSB3.0といった最新パーツへの対応も果たしました。
広い内部空間のおかげで作業性が非常に高く大型のパーツも組み込みやすいですし、裏配線スペースにも余裕があるので簡単に綺麗にケーブルをまとめられます。
型番の百の位が上がった、真のメジャーバージョンアップモデルにふさわしい仕上がりです。
スイッチ/LEDケーブルの短さが気になる以外に欠点らしい欠点はありません。
P180のような新たなスタンダードになりうるケースだと思います。
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12/21 試用開始約1ヶ月の追記
追記分のレビューでは、あえて初出時には言及していなかったエアフロー関係について書きます。
標準で搭載されているTWOCOOLファンは、600rpmなら非常に静かですが風量はかなり少なめ。1200rpmだとそこそこの風量が得られるものの、風切り音の他にも何か擦れているような音も聞こえます。
リアファンはまだ1200rpmでも使えます。ユーザーから遠い位置にあるので音が聞こえにくく、さらにバックパネル周辺の曲げ加工が振動防止に一役買っているようです。
一方トップファンは天板が一枚板であることに加えて2台ファンが搭載されているので、1200rpmで動かすとブーンという共振・振動音がかなり気になります。
サイドパネルを開けた状態と閉じた状態とでは、やっぱり排気の風量が違います。P180で散々揶揄された窒息仕様は、程度の差こそあれP280でも健在の様子。
フロントや3.5インチベイ裏にファンを追加したり、配置を変えたり試行錯誤しましたが、結局のところ「フロントパネルを開けてダストフィルタを外す」のが
一番風量の変化を感じられました。これはもう扉付きケースの宿命なのでしょう。
使用したファンは静音性を考え1000rpm程度に抑えていたので、もっと高速なものを使えば差が出るのかもしれませんが、せっかくの静音ケースを台無しにするつもりもありません。
最終的に落ち着いたファン配置は以下のとおりです。
トップ→標準付属ファン600rpm x2
リア→標準付属ファン1200rpm
ここまでは前述のとおり。せっかくなので付属してる標準ファンを使って、騒音も抑えつつという感じです。
フロント上→1000rpm
吸気を助けるためにフロントに一つ追加しました。ドライブ・ビデオカード周りの空気を動かしやすくする狙いもあります。
冷却性能と静音性は基本的には相反する要素であり、P280はどちらかといえば静音志向のケースです。できるかぎりの静音性を維持しつつ、冷却性能を上げようとしているように見えます。
とりあえず2500K@4.5GHzとOC版GTX480を収めて何時間ゲームをしても問題は出ませんでしたので、多くの環境なら対応可能でしょう。
最大公約数的なバランスの良いケースに仕上がっていると思います。
78人中、78人のユーザーが、このレビューを「役に立つ」と投票しています。
[データ更新日時:2012/05/23 07:20]
最安値¥13,020
平均価格:¥14,738
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価格比較リスト
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無難な選択肢 
コスパと広さ
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餅鐵さん2012/02/07 10:06
P280は購入予定がなかったのですが、隠れAntecファンの私としましては素通りすることができませんでした。その感覚を疑似表現す ...[続きを読む]
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