Noise Absorber Kit (FD-AC-ABS)
共振音の悩みを解消する防音防振シート
共振によるビビリ音を抑制できる
加工が難しい、フロントカバー用も作って欲しい
非常に肉厚な防音シート
このレビューはconecoの「PCパーツ長者」の体験レビューである。
私の使用しているケースは、GIGABYTEのSUMO 5115というEATX対応のアルミケースである。内部は非常に広く、エアフローも上々である。しかし、このケースには問題がある。それが「共振によるビビリ音」である。これまではAntecのSOLOという非常に静かなケースを使用してきたので、このビビリ音はとても不満であった。防音シートの存在は知っていたが、効果がどれほどなのかがわからいために、購入をためらっていた。その際に、conecoの「PCパーツ長者」でFractal designのNoise Absorber Kitという防音・防振シートのレビュアーを募集したため、これを貸し出していただいた。
このキットに含まれる防音防振シート(以下防音シート)は次の通り、合計4枚である。
・400mm×170mm 厚さ16mm ×2枚
・360mm×400mm 厚さ16mm ×1枚
・360mm×400mm 厚さ2mm ×1枚
まずは、届いた箱の重さに驚いた。もっと軽い物を想像していたのである。一体なぜこんなに重いのかと思い、中身を空けてみると分厚い防音シートが数枚入っており、その厚さ16mmという厚さに驚かされた。私はもっと薄い、1から2mm程度の物を想像していた。防音シートは2層構造をしており、1層目には貼り付けるための粘着面があり、堅めの素材が使われている。そしてその上にある2層目は柔らかい目の細かいスポンジのようなものが使われている。堅めの素材により振動を抑制し、スポンジ状の素材で内部からの音を低減させるというものだろう。そして、薄めの厚さ2mmのシートは、堅めの素材のみの物である。いずれの防音シートもかなりしっかりした作りで、重さも結構ある。この見た目だけで、その効果に期待が持てた。
また、サイズが異なるシートが複数入っているという事にはとても好感がもてる。一般的な環境では、360mm×400mmの厚さ16mmの防音シートは、そのままマザーボードの表側のケースカバーに貼り付け、薄い2mmのシートは反対側のマザーボードの裏側のカバーに貼り付ければ良いだろう。また、マザーボードの表側のケースカバーと、例えばCPUクーラーとの距離があまり無い場合などには2mm厚のものを使用するというような使い分けも可能である。そして、400mm×170mmに切られたシートは、例えば、ケースや上面や底面に張る事や、ケースの形が特殊で加工が必要な場合などにも使えるだろう。
加工には慣れが必要
私の使用しているケースのマザーボード側のケースカバーは中央がメッシュ素材なので、そのままでは防音シートを貼り付けることができない。そのために、メッシュ部分を避けるように360mm×400mmの16mm厚の防音シートを切って貼り付ける事にした。カットの方法などの説明書きなどは無かったため、カットは一般的なカッターを使用し、試行錯誤してみることとした。まず、スポンジ側を上にしてカットを始めたのだが、スポンジは簡単に切れても、粘着面がある堅い素材がなかなかカッターで切ることができなかった。仕方がないので、カッターで数回切り込みを入れ、後は防音シートを折り曲げると、2つに割ることができた。だが、数回切り込みを入れた時点で、若干カッターの位置がずれてしまうために切り口のスポンジがボロボロになってしまった。次に、粘着面がある方からのカットを試みた。スポンジ面が下になるために、上から押さえつけると下に沈んでしまい、若干切りにくいと感じた。これも同様に数回切り込みを入れてから、防音シートを折り曲げて堅い面を切り分け、それからスポンジを切ることでカット可能だった。しかし、カッターの刃で粘着面を切断するために、刃に粘着剤がくっついてしまい、スポンジを切る際にスポンジが刃に張り付いてしまって切断面がボロボロになってしまった。粘着面からカットする場合には小まめにカッターの刃を新しくする必要がありそうである。最初はどの程度切り込みを入れればよいのかわからず、苦労したが、慣れてくるとそれなりに切断できるようになってくる。しかしながら切断面はやはり綺麗に切る事は難しかった。
そして、最終的に、3枚目の写真のように貼り付ける事ができた。同様にマザーボードの裏側の面には2mm厚のシートを一枚そのまま貼り付けた。ケースの上部と底面にはあまり余裕が無かったために、今回は防音シートは貼り付けなかった。粘着面の強度については強い部類であると思われた。ケースに防音シートを貼り付けようと位置を合わせている際に、間違ってシートの一部をケースに貼り付けてしまい、それを剥がしたところ、力が必要であり、またケースに粘着部が若干残ってしまった。
防振効果は高いと思われる
このケースの共振する箇所は次の2カ所であった。
1.マザーボードの表側のケースカバーのつなぎ目
2.フロントパネルのつなぎ目
そして1のケースカバーのつなぎ目の共振音が発生した場合には手でケースを押しつけると音が静かになる事がよくあるため、これまではそのようにしてその場しのぎの解決をしてきた。だが、この防音シートを使用することで、この共振音がしなくなった。ケースカバーを触ると、やはり非常に細かい振動をしているのは感じ取れるのだが、その共振音がしなくなった。このレビューを書いている時点で3日間使用したが、一度も手で押しつけて共振音を止めようとした事はなかったので、効果はあったのだと思われる。この効果には驚きであった。
しかし、一方で、2.フロントパネルのつなぎ目の共振については、未だに共振音が聞こえてくる。ケースの両サイドに防音シートを貼り付けるだけでは、さすがに解決できないようである。逆にこれほどまでに、貼り付けた部分とそうでない部分で共振の有無の差があると効果がわかりやすくて良いといてば良いのだが・・・。防音効果については、このケースはサイドがメッシュになっているため、防音効果はあまり期待できないが、ファンが発するノイズなど高音のノイズが低減されているように感じる。
総評と今後への期待
結果をまとめる。
・防振効果:高い。が、当たり前だがケースの両サイドに貼り付けただけではフロントパネルの共振までは解決できなった
・防音効果:サイドがメッシュのケースでも高音ノイズは少なくなったように感じる
・加工のしやすさ:加工は可もなく不可もない。が、苦労は強いられる
・ユーザーへの配慮:説明書などは無い。カットの仕方などが説明されていても良かったと感じる
使用してみて、防振効果に驚かされた。共振音に悩まされている方には、若干高い出費となるだろうが是非お勧めしたい防音防振シートである。一方で、シートの切断方法などの説明などがあると良心的であると感じた。また、防振効果が高いために、フロントパネルの裏側に簡単に貼り付ける事ができる防振シートや、ある隙間から発生する共振音を防ぐために、その隙間もピンポイントで塞げるような薄めの高性能な防音防振シートも欲しくなってしまった。このような商品も是非開発して欲しいと感じている。
次回のレビューでは、どうにかフロントパネルの裏側にも防音シートを加工して貼り付け、さらなる防振効果が期待できるか確認を行う予定である。
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[データ更新日時:2012/05/21 18:20]
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